サスペンスの枠を超えて演技の幅を広げた転機といえば、TBSテレビで放送された『ハンチョウ〜神南署安積班〜』への出演だろう。刑事・村雨秋彦役を演じた中村は、クールで几帳面、かつ情に厚いベテラン刑事を人間味たっぷりに演じ切り、作品の引き締め役として確固たる評価を獲得した。2時間ドラマで培った安定感に拍車がかかり、連続ドラマでも主役級の存在感を誇るようになった。
日本の芸能界において、ハンサムな外見と渋みのある演技力を高いレベルで両立させている俳優は決して多くない。時代劇から凄みのあるサスペンスまで、多彩な役柄をこなす柔軟性は、彼のたゆまぬ努力の賜物だ。現場でのストイックな役作りと誠実な人柄が、長年にわたりドラマ界の最前線で愛され続ける最大の理由である。