事態が急速に悪化したのは、発言の切り抜き動画がX(旧Twitter)や各種まとめサイトへと拡散された直後だった。当時、吉本興業系のプロゲーミングチーム「CYCLOPS athlete gaming」に所属していたたぬかな氏は、世界的なエナジードリンクブランドである「Red Bull」をはじめとする多数のスポンサー企業と契約を結んでいた。企業側にとって、ダイバーシティや人権擁護を掲げる現代のブランド戦略において、所属選手の人種・身体的特徴に関する差別的と捉えかねない言動は看過できない致命傷となった。
発言の裏側にある「真意」については、今なお議論が絶えない。ゲームプレイ時のゲーム内アイテムや特定キャラクターの「必須性能」を指して「人権キャラ」「人権装備」と呼ぶゲーマー間のカルチャーが存在したことは事実だ。しかし、それを実社会の特定の人間群に対して直接的に当てはめたことで、スラングの枠を完全に踏み外してしまった。結果として、スポンサー企業からの批判が相次ぎ、チーム側は契約解除という最重の処分を下さざるを得なかったのだ。