覚醒したパームが果たした最大の功績は、王メルエムの最期を看取る役目を全うしたことにある。毒(薔薇の毒)に侵され、最期の時間をコムギと共に過ごすことを望むメルエム。パームは自らの能力「寂しい深海魚」を通じ、暗闇の中で打棋を続ける二人の姿を最後まで見守り続けた。
かつて人類の脅威として君臨した王が、一人の人間として愛する者と共に旅立つ姿。その静謐な奇跡を画面越しに記録したパームの瞳は、怒りや憎しみを超越した慈愛に満ちていた。彼女が「観測者」として存在したからこそ、メルエムとコムギの最期の絆は世界に証明され、物語は深い余韻と共に締めくくられたのである。