あまりにも劇的で破綻した展開の連続に、ネット上ではモンスターハウスのヤラセ疑惑を疑う声も少なくありませんでした。しかし、演出を手掛けた藤井健太郎プロデューサーの手法や出演者たちの証言を総合すると、極めて緻密なリアリティ設計がなされていたことが分かります。
番組側が用意したのは「男女が共同生活を送る環境」と「定期的な脱落ルールの提示」という大枠の設定のみであり、個々の発言やアプローチに関する台本は一切存在していませんでした。むしろ、クロちゃんの予測不可能な生態を24時間カメラで監視し、スタッフすら想像できない醜態をそのまま切り取るという、悪意に満ちた徹底的なドキュメンタリー手法が採られていたのです。
他の出演メンバーも、カメラが回っていることを意識しつつも、クロちゃんのあまりの距離の詰め方や嘘の生々しさに本気で困惑・疲弊していく様子が画面越しに伝わっていました。作り物では決して到達できない生身の醜態こそが、モンスターハウスを唯一無二のエンターテインメントへと押し上げた最大の要因です。