足の裏にできた暗褐色のスポットを目にすると、多くの人が即座に悪性黒色腫(メラノーマ)を連想する。だが、皮膚科を受診する患者の過半数以上は、単なる良性の母斑細胞母斑(いわゆる普通のほくろ)か、あるいは小出血による点状出血斑であるのが現実だ。
日本人のメラノーマ発生率は人口10万人あたり数人程度と、欧米の白人人口と比較して極めて低い。ただし、アジア人種におけるメラノーマの特徴として「末端肥大性メラノーマ(Acral Lentiginous Melanoma)」が占める割合が高いという事実は存在する。手足の甲や爪、そして足底に発生しやすい傾向があるため、注意深い観察が推奨されるのは間違いない。だが「足の裏にあるから即アウト」という言説は完全なデマだ。