愛知県名古屋市と豊明市にまたがる桶狭間古戦場。現地を歩くと、平地と小高い丘陵が入り組んだ複雑な地形が今なお残っていることがわかる。保存会や地元の歴史研究家たちによる地道な調査と、最新のレーダー測量技術が合わさることで、当時の泥濘(でいねい)や視界の悪さが再現された。
解析の結果、今川本陣が置かれたとされる場所は、周囲からの視線を遮る一方で、ひとたび包囲されれば退路を断たれる「壺状の地形」であったことが立証されつつある。信長はこの地形的罠を熟知しており、義元が最も油断するポイントへ一直線に部隊を突き込ませたのだ。古戦場の土が語る事実は、400年以上前の激闘の生々しさを現代に伝えている。