順風満帆に見えた松尾親子ですが、かつて修復不可能とさえ思われた激しい確執が存在しました。その契機となったのが、ローランドの「帝京大学のスピード中退」と「歌舞伎町ホストへの転身」です。
大学の入学式当日、周囲の敷かれたレールの上を歩むような空気に強烈な違和感を抱いたローランドは、わずか数日で退学を決意します。職人気質で厳格な父・洋一氏は、息子が水商売の世界へ飛び込むことに猛反対しました。「一流の男になれ」と育ててきた父にとって、歌舞伎町行きは到底受け入れられる選択肢ではなかったのです。
父から突きつけられた言葉は「今すぐ家を出ていけ。お前のような息子は勘当だ」という厳しい宣告でした。着の身着のままで実家を追い出されたローランドは、自転車で歌舞伎町へ通い、1本100円のパックジュースで空腹を紛らわすような極貧の下積み時代を送ることになります。