SNSやネット掲示板、コミックレビューサイトに寄せられる読者の感想と評判を調査すると、旧来のファンと新規読者の間で興味深い温度差と共通項が浮かび上がってきます。
往年の読者からは「やはり高橋先生本人の荒々しくも温かいタッチで描かれた完全新作が読みたい」という直筆作品への渇望が強く寄せられています。一方で、昨今の外伝ラッシュに対しては「最初はスピンオフに懐疑的だったが、『ゼットン先生』や『グリコ』を読んだらリスペクトが凄くて完全にハマった」「鈴蘭や鳳仙の看板を若い作家が大切に受け継いでいる姿が胸を熱くさせる」といった好意的な声が8割以上を占めています。
秋田書店の編集現場でも、かつて高橋ヒロシのアシスタントを務めた作家や、少年時代に『クローズ』を読んで漫画家を志したクリエイターたちが制作陣の中核を担っています。つまり現在の「高橋ヒロシ作品群」は、一人の作家の手作業という領域を超え、「リスペクトに満ちたクリエイター集団による正統なカルチャーの継承」というフェーズに突入しているのが現場のリアルです。