昭和から平成、そして令和へと元号が移り変わるなかで、作品が提示する家族像も少しずつ変化してきた。かつてのお菓子や玩具のPR動画とは一線を画し、近年特に話題を呼んでいるのが、父親である野原ひろしを主役に据えた感動的なタイアップ施策だ。とりわけサントリーホールディングス株式会社とのコラボレーション企画などで見せた、多忙なサラリーマンとしての葛藤と家族への温かなまなざしは、働く親世代の琴線に深く触れた。
ファンの間で語り継がれる歴代の名作CMには、幾重にも張り巡らされた隠された演出が存在する。画面の隅にさりげなく映り込む子供の成長の軌跡、足元に転がる玩具の配置、そして主人公の野原しんのすけが見せる無邪気な笑顔。限られた15秒や30秒という尺の中に凝縮された濃密なドラマと名言は、視聴者に強烈なノスタルジーと勇気を与えてくれる。