インターネット上の検索コミュニティやSNSにおいて、現在でも頻繁に見受けられるのが「ごくせん第1期の主題歌は嵐だったのではないか?」という誤解です。この錯覚が生じる背景には、当時のテレビドラマ界のキャスティング構造とタイアップ慣習が深く関係しています。
当時、白金学院のリーダー格・沢田慎役を演じたのは嵐の松本潤でした。松本が不良生徒役として強烈なカリスマ性を発揮したこと、そして数年後に同じく日本テレビ系やTBS系で放送された主演ドラマ(『花より男子』など)で嵐が主題歌を担当しメガヒットを記録した事実が、後年の視聴者の記憶の中で混同されたことが主因です。
当時の制作プロデューサー陣の証言や業界動向を振り返ると、第1シリーズ放送時の2002年春、嵐は前年に日本テレビ系ドラマ『金田一少年の事件簿』主題歌「時代」を担当した直後であり、日本テレビとジャニーズ事務所は枠ごとのアーティストローテーションを柔軟に運用していました。松本潤の演技力を前面に押し出しつつ、avexに所属していたV6のポジティブで成熟したグループ像を楽曲に採用することで、ドラマ全体に普遍的なポップスとしての強度を持たせる狙いがあったと分析されています。