島田紳助の凄みは、お笑い・バラエティという感性が支配する世界に、マーケティングとブランディングの概念を持ち込んだ点にある。漫才ブームの渦中、漫才コンビ「紳助・竜介」として脚光を浴びながらも、彼は自らの限界と他者の強みを瞬時に見極めていた。自分より面白い存在がいることを認めつつ、どうすれば市場で唯一無二のポジションを確立できるか。その戦略眼は突出していた。
「クイズ!ヘキサゴンII」などの大ヒット番組で見せたMCの手腕も、計算し尽くされた空間設計の賜物だ。タレントそれぞれのキャラクターを分析し、絶妙なパスを出すことで番組全体を底上げする。プレイヤーからプロデューサーへの鮮やかなシフトチェンジは、企業経営におけるマネジメントそのものであった。