太陽が高く昇る昼下がりと、街に明かりがともる日没後では、店内の表情はまったく異なる。
店内に流れる音楽は、オーナーのこだわりが感じられるアナログレコードの盤だ。スピーカーから流れるジャズやアンビエントの音色には、時折「パチッ」というレコード特有のノイズが混ざる。その不完全な音が、不思議と空間の居心地よさを増幅させる。
夕刻が近づくと、店内の灯りはさらに落とされ、テーブルにはローソクの小さな炎がゆらめく。エスプレッソマシンが吐き出すスチームの音に代わり、ワイングラスが擦れ合う微かな音が響き始める。自然派ワイン(ナチュールワイン)を中心に揃えられたドリンクメニューは、丁寧に仕込まれた小皿料理との相性も抜群だ。一人で静かにグラスを傾ける客の姿も珍しくない。