野球部の快進撃を支えた小牧憲重監督は、就任当初から学校のルーツや政治的な背景とは一線を画し、純粋に「野球が好きで強くなりたい」と願う球児たちと向き合い続けてきた。部員不足や練習環境の制約に悩まされた時期もあったが、徹底した基本の反復と機動力を活かした独自の野球スタイルを確立。強豪校がひしめく京都府大会を勝ち抜く実力を育て上げた。
選手たちにとって、ハングルの校歌を歌うことに屈託はない。入学後に自然と覚えた旋律を、勝者として胸を張り、声を限りに歌い上げる。国籍や言語の垣根を超えて、白球を追う情熱だけで結ばれたグラウンド上の球児たち。彼らが奏でる歌声は、大人の政治的思惑やバイアスを軽々と飛び越える純粋なスポーツマンシップの結晶だった。