通常、事務所への所属を目指す少年たちは、自ら履歴書を送り、数千倍とも言われる過酷な書類選考と実技オーディションを勝ち抜かなければなりません。しかし、森本慎太郎はこの正規ルートを一切通っていません。彼がいかにして芸能界入りを果たしたのか、その舞台裏にはあまりにも有名な「中華料理屋での遭遇劇」が存在します。
当時、すでにジャニーズJr.として活動していた実兄・森本龍太郎(のちにHey! Say! JUMPのメンバーとしてデビュー)の仕事終わりに、家族揃って中華料理店で食事をしていた時のことです。偶然その場に居合わせた事務所社長・ジャニー喜多川氏が、龍太郎と一緒にいた慎太郎の姿を目に留めました。
ジャニー氏は慎太郎の整った顔立ちと人懐っこい雰囲気を見るや否や、「龍太郎、弟いたの? ユー、うちに入っちゃいなよ」と直接声をかけたと言われています。これが、伝説のスカウトエピソードの全貌です。
しかし、ドラマはそこで終わりません。当の本人は空手に夢中だったため、アイドルの仕事に全く興味を示さず、ジャニー氏からの熱心な誘いを何度も断り続けたのです。痺れを切らしたジャニー氏は、森本の母親を通じて「舞台のチケットがあるから見においで」と誘い出し、滝沢秀明主演の舞台『One! -the history of Tackey-』などの現場へ招きました。そこで見た華やかなエンターテインメントの輝きと、ステージ上で輝く先輩たちの姿に心を動かされ、森本はレッスンに通うことを決意しました。