多くの家庭で誤解されがちだが、スプレー缶(エアゾール缶)は一般的な陶器やガラスと同じ「燃えないゴミ(不燃ごみ)」として出してはならないケースがほとんどだ。最大の理由は、ごみ収集車火災防止および処理施設での破砕火災を防ぐ点にある。
スプレー缶やカセットボンベの内部には、液体状の薬剤とともに内容物を勢いよく噴射するための高圧ガス(LPガスやDMEなど)が封入されている。これらは極めて可燃性が高く、中身が残ったまま不燃ごみの収集車に放り込まれると、回転板で金属ごと押し潰された瞬間に残留ガスが一気に噴出。金属同士の摩擦火花に引火し、スプレー缶爆発事故の危険性が現実の火災事故として牙を剥く。
東京都内をはじめ全国各地で、ゴミ収集車の荷台から突然黒煙が上がり、作業員が危険に晒される事案が後を絶たない。こうした事態を未然に防ぐため、現在では不燃ごみ資源ごみ分別の境界線が厳格化され、多くの自治体がスプレー缶を「資源ごみ」「危険ごみ」「金属類」など、他の不燃物とは隔離した専用区分で回収している。