アリスの双子の名前と見分け方は?原作不在の真相と都市伝説を解剖

アリスの双子の名前と見分け方は?原作不在の真相と都市伝説を解剖

アリスの双子の名前と見分け方は?原作不在の真相と都市伝説を解剖の背景について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

文学史およびアニメーション史を検証すると、多くの人が抱く「記憶のねじれ」が浮き彫りになります。実は、ルイス・キャロルが1865年に発表した記念碑的児童文学『不思議の国のアリス』原作には、トゥイードル兄弟は一切登場しません。

彼らが初めてアリスと邂逅するのは、それから6年後の1871年に刊行された続編『鏡の国のアリス』第4章「トゥイードルダムとトゥイードルディー」です。鏡を通り抜けてチェス盤の世界に迷い込んだアリスが、森の中で太っちょの二人組と遭遇する場面が初出となります。では、なぜ現在「不思議の国のアリスの双子」として世界中に定着しているのでしょうか。

その最大の契機となったのが、1951年に公開されたウォルト・ディズニー制作のアニメーション映画『ふしぎの国のアリス』です。ディズニーのクリエイター陣は、映画のエンターテインメント性を極限まで高めるため、『不思議の国』のプロットを骨格としつつ、『鏡の国』に登場する魅力的なエピソードやキャラクターを大胆に融合させる翻案を行いました。この脚本統合によって、トゥイードル兄弟は「白うさぎを追いかけるアリスの邪魔をするおかしな双子」として、ワンダーランドの住人へ組み込まれたのです。

さらに探究を深めると、トゥイードル兄弟の元ネタはルイス・キャロルの完全な創作ですらありませんでした。キャロルは、イギリスで古くから歌い継がれてきた伝承童謡マザー・グースに登場する詩を引用してキャラクターを造形しています。記録によると、18世紀初頭の詩人ジョン・バイロムが、当時の大作曲家ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルとジョヴァンニ・ボノンチーニの間で勃発した音楽論争の愚劣さを揶揄するために詠んだ諷刺詩が原型とされています。

「トゥイードルダムとトゥイードルディーが決闘することになった/新品のガラガラをお互いに壊されたからだ」という不条理なライムは、当時の上流階級のくだらないメンツ争いを批判する風刺でした。キャロルはこのナンセンスな言葉遊びを取り込み、鏡の世界の象徴として双子を配置したのです。

木村 陽翔
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木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。