我が家の代名詞である「言わせねぇよ」というフレーズは、緻密に計算された漫才構成の中で誕生しました。彼らがブレイクする決定打となったのは、立ち位置と役割が目まぐるしく入れ替わる「ローテーション漫才」です。通常のお笑いトリオは「ボケ2・ツッコミ1」または「ボケ1・ツッコミ2」という固定フォーメーションをとりますが、我が家は1本のネタの中で3人全員がボケとツッコミを巡回する画期的なシステムを構築しました。
このシステムにおいて、クライマックスの起爆剤となったのが杉山裕之 言わせねぇよのギミックです。坪倉と谷田部が杉山の体型や言動を執拗にいじり、決定的な悪態やオチのフレーズを口にしようとする寸前、杉山が顔を歪めながら先回りして「言わせねぇよ!」と怒鳴りつける——この「フリとオチの予定調和を観客と一緒に裏切る爽快感」が、ショートネタ全盛期の視聴者の心を掴みました。
関係者の証言や当時のインタビューによると、このフレーズの元ネタはネタ合わせ中の偶発的な出来事から生まれたとされています。稽古中に坪倉と谷田部から本気でからかわれた杉山が、思わず放った感情的な一言「言わせねぇよ!」に対し、坪倉が「今のリアクション、ネタに使えるのではないか」と着目したことがきっかけでした。日常のリアルな摩擦から生まれたフレーズだったからこそ、舞台上でも強烈な熱量と説得力を帯びていたのです。