情報が断片的に消費されるネット上では、ASIJに関するいくつかの危険な誤解が定着しています。学校選びで取り返しのつかない失敗を防ぐために、教育ジャーナリズムの視点からその盲点を検証します。
誤解1:「幼児期にインターに通わせ、英語さえ話せれば合格できる」
これは純日本家庭が最も陥りやすい罠です。六本木にあるアーリーラーニングセンター(ELC:幼稚園・保育園部門)やキンダーガーテン段階であれば英語のハンディキャップは比較的小さいものの、小学校高学年以降の編入では、学齢相応の「アカデミック・イングリッシュ(学術的英語力)」と「論理的思考力」が厳密に試されます。日常会話がペラペラであることと、英語で歴史や科学の文献を読み解きエッセイを執筆できることは全くの別物です。十分な教養レベルに達していない場合、選考の初期段階で容赦なく不合格となります。
誤解2:「ASIJに通えば、自然と完璧なバイリンガルになれる」
校内の一歩内側に入れば、そこは完全なアメリカです。授業はもちろん、休み時間の生徒同士の雑談、部活動の掛け声に至るまで英語が共通語。日本語の授業(Japanese as a Second Language等)は用意されているものの、日本の学習指導要領に基づく国語教育とは質・量ともに異なります。家庭内で明確な日本語学習のフォローアップを継続しなければ、「英語も日本語も年齢相応の抽象概念が扱えない」というダブル・リミテッド(セミリンガル)状態に陥るリスクを常に孕んでいます。