中学校の進路指導で提示される弓削商船高等専門学校の偏差値は、およそ50前後で推移しています。普通科高校の基準に照らし合わせると中堅レベルの数値に見えますが、この指標だけで同校の実力を測ると本質を見誤ることになります。高等専門学校の学力試験は全国統一の国立高専機構マークシート方式であり、基礎学力はもちろんのこと、数学や理科における論理的思考力が強く問われる構成だからです。
何より驚くべきは、出口における弓削商船高専の就職実績です。卒業年次の求人倍率は学科によって20倍から30倍を超え、景気動向に左右されることなく就職希望者の内定率はほぼ100%を維持しています。商船系にとどまらず、日本を代表する重工業、インフラ企業、通信大手などがこぞって弓削の学生を採用しに来る構図は、一般的な大学学部卒の就活戦線と比較しても圧倒的な優位性を誇ります。
教育関係者の証言によると、「偏差値50前後の学力で入学した生徒が、5年後(商船学科は5.5年後)には旧帝国大学工学部卒と同等クラスの大手プラントや大手海運会社の中核技術者として採用されていく」という逆転現象が毎年当たり前のように起きています。この学力コストパフォーマンスの極めて高い構造こそが、保護者層から根強い支持を集める決定的な理由です。