ゾルディック家最大のタブーとされ、地下牢に幽閉されていたアルカの正体とナニカの能力は、物語の舞台を外の世界へと繋ぐ決定的な特異点となりました。アルカの内部に宿る謎の生命体「ナニカ」は、3つの「おねだり」を聞き届けることで、いかなる超常現象も引き起こす「お願い」を叶える絶対的な能力を保持しています。
この異様な能力の起源について、長らく読者の間では様々な憶測が飛び交っていましたが、コミックス第33巻の巻末設定および本編描写によって決定的証拠が提示されました。ナニカの発する口癖「あい」と、人間を一瞬でミンチ状の縄のようにねじり潰す犠牲者の死因が、暗黒大陸に生息する人類滅亡の五大厄災の1つ「欲望の共依存 ガス生命体アイ」の犠牲者と完全に一致したのです。
この戦慄の因縁は、ゾルディック家と暗黒大陸の経緯を辿ることで一本の線に繋がります。かつて若き日のネテロ会長が非公式に暗黒大陸へ渡航した際、同行したのがリンネ=オードブル、そしてゾルディック家のジグ=ゾルディックでした。探検の過程でジグが持ち帰った厄災「アイ」が、何世代かの潜伏期間を経て、四男アルカの肉体に宿ったというのが極めて信憑性の高い定説となっています。
シルバがアルカを「別の場所から来た『人間ではないナニカ』」と断定し、家族から隔離して情報統制を敷いたのは、その能力の代償による「一族の全滅」を本能的に恐れたためです。しかし、キルアだけが「ナニカへの命令」には一切のリスク(等価交換の代償)が発生しないという真実を把握しており、この圧倒的切り札の主導権を握ったことが、家長制度への決定的な反逆の引き金となりました。