ファンの間では長年、「チェリー」の歌詞には「別れ」や「死」、そしてそこからの「再生」というテーマが暗喩されているという考察が絶えない。例えば「泥まみれになっても 抱きしめたい」というフレーズや、「曲がりくねった道」の先にある選択。
草野マサムネが紡ぐ言葉は、決して一義的な解釈を押し付けない。それはまるで上質な現代詩のように、読む人の置かれた環境や心境によって色彩を変える。失恋の傷を癒やす歌として聴く人もいれば、住み慣れた街を離れて新しい一歩を踏み出す旅立ちの歌として受け取る人もいる。この「解釈の多層性」があるからこそ、何度聴いても新しい発見があり、時代が変わっても色あせることがない。