最新の睡眠科学が明らかにした最も恐ろしいリスクは、「人間は自分自身の脳機能低下を自覚できない」という点にある。2026年に発表された長期追跡研究でも、睡眠時間を4時間未満に制限された被験者は、主観的には「眠気に慣れた」「問題なく動ける」と感じていても、客観的な反応速度や意思決定力は重度の酒酔い状態と同等まで低下していた。
極端な睡眠短縮を続ける過程で保たれている覚醒感は、身体が危機を感じて分泌するアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンによる「擬似的なハイ状態」に過ぎない可能性が高い。本人が「健康で活力に満ちている」と自認していても、血管系や免疫システムには着実に歪みが蓄積されているのだ。