ユマニチュードの実践において核となるのが、「見る」「話しかける」「触れる」「立つ」という「4つの柱」である。これらはいずれも単独で行うのではなく、包括的な連続性をもって提供される。
1つ目の柱である「見る」では、相手と同じ目の高さで、正面からじっくりと視線を合わせる。上から見下ろす視線は威圧感を与え、斜めからの視線は不安を煽るからだ。2つ目の「話しかける」では、穏やかで低めのトーンを用い、肯定的な言葉を選ぶ。たとえ相手からの返答がなくても、自分が行っている動作を実況中継するように語りかける「オート・マネジメント」の技術が効果を発揮する。
3つ目の「触れる」は、掴むような力を入れず、手のひら全体で包み込むように優しく触れるのが鉄則だ。関節を強く握ると脳は恐怖と拒絶を察知してしまう。そして4つ目の「立つ」は、立つ機会を日々のケアの中で意識的に作ることだ。人間が二足歩行を行う生物としての骨密度や循環器機能を維持し、「生きている」感覚を実感してもらうために不可欠なステップとなる。これらを組み合わせることで、拒絶に伴う介助者の身体的・精神的負担は驚くほど軽減される。