物語のクライマックスにおいて、安良城ゴンは人生で初めての告白を凪に試みます。「俺、凪ちゃんが好き。凪ちゃんのおばあちゃんになるまで一緒にいたい」という、かつてのゴンからは想像もつかないほど真っ直ぐで不器用な言葉でした。しかし、自分自身の足で立ち、自分の人生を取り戻すことを決意した凪は、慎二だけでなくゴンの想いにも感謝を告げながら「お暇(おいとま)を終了する」という道を選びます。
フラれた瞬間のゴンの表情、そして凪の未来を優しく祝福して身を引く佇まいは、彼自身が「他者を愛し、他者の幸せを願うこと」を通じて一つの精神的自立を果たした決定的な瞬間でした。恋愛の成就をゴールとせず、登場人物全員がそれぞれの足で立ち上がる姿を描いたこの結末は、名作たる所以として今なお高く評価されています。
現在、『凪のお暇』はU-NEXTをはじめとする主要な定額制動画配信サービス(SVOD)で全話見放題配信が行われており、TVer等での期間限定再配信の際にも常にランキング上位へ浮上します。一度観た人も、中村倫也の繊細な表情の変化や伏線を追いながら再鑑賞することで、初回とは異なる深い感動と心理的発見を得られるはずです。