4階には驚くべき空間がある。地域住民が自由に利用できるコミュニティラウンジだ。予約不要、利用料無料。ソファ、テーブル、Wi-Fi、そして大きな窓から差し込む自然光。
この空間が担っているのは、孤立を防ぐ役割だ。高齢者が集まって談笑する。リモートワーク中の若い世代が仕事をする。放課後の中学生が宿題をする。世代を超えた自然な接触が、ここでは日常的に起きている。
川崎市が2023年に実施した調査によれば、アルテ片倉の開業後、周辺地域の住民の「地域への愛着度」は開業前と比較して23ポイント上昇した。「話せる知人が増えた」と答えた高齢者は41%に達した。
子育て世代を支える仕組み
特に評価されているのが、子育て支援機能だ。1階に設置された「キッズコモンズ」は、親子が気軽に立ち寄れる遊び場として機能している。保育士資格を持つスタッフが常駐し、育児相談にも対応する。
「買い物のついでに子どもを遊ばせられる。それだけで心理的負担が全然違う」と語るのは、2児の母である佐藤恵子さんだ。「ここで知り合ったママ友が、今では一番頼りになる存在になっている」