手塚の早すぎる死は、過酷を極めたその人生の歩みと切り離して語ることはできない。『鉄腕アトム』で国産初の30分連続テレビアニメを成功させた虫プロダクションの設立以降、手塚は日本アニメーション業界の基礎をほぼ独力で築き上げた。毎週の放送に追われながら同時に複数の漫画連載を抱える日々は、常人の体力を遥かに超えていた。
虫プロダクションの経営破綻という試練を乗り越え、手塚プロダクションを立ち上げてからも、彼の創作意欲が衰えることはなかった。1日平均3時間とも言われた睡眠時間、世界中を飛び回る多忙なスケジュール。日本のアニメと漫画を世界水準の文化へと押し上げた華々しい功績の裏には、己の寿命を削りながら走り続けた壮絶な代償があった。