日本代表の主将としてチームのカルチャーを一変させた廣瀬俊朗の足跡も、極めてユニークだ。引退後にビジネススクールでMBAを取得し、起業家として食や教育、地域創生のプロジェクトを次々と手掛ける姿は、従来のアスリート像を鮮やかに塗り替えた。
大きな転機となったのは、TBS系日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』への出演だろう。俳優未経験でありながら、浜畑譲役として放った圧倒的な存在感と熱量は、ラグビーファンのみならず全国のお茶の間を釘付けにした。廣瀬が体現したのは、ラグビーという競技が持つフィロソフィーをドラマやビジネスという異なる言語に翻訳し、社会へ届ける「越境者」としての役割だ。リーダーシップ論を説く講演活動から地域コミュニティの再生まで、その活動領域には一切の垣根が存在しない。