本作の配役において最大の注目を集めているのが、主演のキリアン・マーフィーだ。名匠との長年の信頼関係によって培われた彼の静謐ながらも爆発的な演技力は、複雑に絡み合う主人公の精神構造を完璧に体現している。狂気と理性の狭間で揺れ動く人物像は、一瞬たりとも目を離せない緊張感を醸し出す。
脇を固める実力派キャスト陣も見逃せない。登場人物それぞれが抱える暗部と選択が入り組み、物語は予断を許さない展開を魅せる。早くもアカデミー賞の主要部門ノミネートが確実視されるほどのパフォーマンスは、映画史に刻まれるレベルに達している。