2010年代に入ると、YouTubeの動画解説やTikTokの短尺動画を中心に、かつてのネットトラウマを回想・分析するコンテンツが爆発的な人気を博すようになる。「かつてネットの深淵に存在した恐ろしい画像」というストーリーテリングは、当時を知らないZ世代やα世代にとって、ある種のファンタジーや歴史的遺物(ロストメディア)として再解釈されていった。
画像そのものを閲覧することなく、「その画像がいかに恐ろしいか」という物語だけが語り継がれる現象。これは古来の百物語や怪談の伝承プロセスと完全に一致する。リアルなショック画像は時代の変遷とともにフィルターの彼方へと消え去ったが、それに付随する「恐怖の記憶」だけが抽象化され、現代のデジタル・ロア(ネット都市伝説)として生き残り続けているのだ。