自動車盗難の情勢において最も警戒すべきは、犯罪集団の手口が「リレーアタック」から「CANインベーダー」や「キーエミュレーター」へと主軸を移している点です。
CANインベーダーは、車両のヘッドライト裏などの隙間から配線キャンバスに不正アクセスし、ドアロック解除からエンジン始動までを電子的に実行する手口です。この攻撃においてはスマートキーの電波が一切利用されないため、どれほど高価な電波遮断ケースにキーを入れていても盗難を阻止できません。
これに対抗するためには、電波遮断ケースによる「電波対策」に加え、犯行に時間をかけさせる「物理対策」を組み合わせた多層防御の構築が不可欠です。
- ステアリングロック(ハンドルロック):視覚的な威嚇効果が高く、切断に時間を要するため犯行を諦めさせる効果があります。
- タイヤロック / ホイールロック:車両自体の移動を物理的に封じる強力な手段です。
- OBDガード:車内の故障診断コネクタ(OBD-II)を金属プレートで物理的に塞ぎ、不正ツールの接続を遮断します。
- 後付けセキュリティシステム(イグラ・オーサーアラーム等):暗証コードを入力しない限りエンジン始動を不許可にするデジタル防犯です。