JRと山陽電鉄が交差する明石駅。その南口を一歩出ると、再開発で近代的なビルが聳える一方で、網の目のような路地裏には古き良き酒場町が残されている。本町や鍛冶屋町の細い路地には、重厚な木製ドアやレトロな看板を掲げた店舗が軒を連ねる。
ここには大手チェーン居酒屋では決して味わえない、独特の空気感がある。カウンター越しに交わされる他愛のない世間話。隣り合わせた常連客から「どこから来たの?」と自然に声がかかる距離感。明石海峡の潮風が吹き抜けるこの街だからこそ育まれた、肩肘張らないもてなしの精神が息づいている。