海軍本部の最高戦力でありながら、黄猿が掲げる「どっちつかずの正義」というモットー。これは、田中邦衛が長年演じてきたキャラクターたちの生き様と見事にシンクロする。白黒はっきりつけられない現実の世界で、グレーゾーンを漂いながらも必死に生きる泥臭さ。それこそが、彼らの最大の魅力だ。
絶対的な正義を信じる赤犬(サカズキ)や、独自の正義を模索する青雉(クザン)とは異なり、黄猿は組織の歯車であることに徹しようとする。しかし、感情を殺しきれない。この「割り切れなさ」こそが、田中邦衛がスクリーンを通して生涯表現し続けた「人間の真実」そのものではないだろうか。