2019年の導入直後、ソーシャルメディア上では大きな動揺が広がりました。X(旧Twitter)では「#舞浜フェイス変更」「#ニューフェイス」がトレンド上位を独占し、一部の熱心な年間パスポート保持者やパークファンの間では「慣れない」「以前の優しい表情が好きだった」という戸惑いの声が数多く投稿されました。
特に顕著だったのが、ミッキー実写グッズ(旧顔グッズ)に対する異常な需要の集中です。フェイス変更が発表された2019年2月〜3月にかけて、旧フェイスの写真を使用したポストカード、クリアファイル、写真集、ぬいぐるみバッジが各ショップで軒並み完売し、フリマアプリでは定価の数倍で取引される現象が発生しました。これは長年親しんだアイコンが失われることに対する、ファンコミュニティ特有の「喪失感(ロス)」の表れでした。
しかし、当時の特番インタビューやファンコミュニティでの継続的な定点観測によると、導入から数年を経た現在、その受け止め方は劇的に変化しています。
第一に、ディズニーランドのグリーティングやパレード現場での体験価値の向上です。実際に新フェイスのミッキーと触れ合ったゲストからは、「写真撮影時の白飛びが減り、どの角度から撮っても完璧な笑顔が撮れる」「全身のバランスが引き締まり、ダンスのキレが圧倒的に増した」といった実用面での高評価が定着しました。
第二に、新世代のファンやファミリー層にとっては、物心ついた時から見ているこの新デザインこそが「本物のミッキーマウス」であるという自然な世代交代が進んだ点です。人間には見慣れたものを好む「単純接触効果」と、変化直後に生じる現状維持バイアスが存在しますが、現在では新フェイスに対する違和感はほぼ払拭され、正統なスタンダードとして受け入れられています。