事件の波紋が広がる最大の要因となったのは、組織のトップをめぐる不祥事隠蔽の疑惑である。元警務部長が起こした内部告発事件では、警察内部の不正や隠蔽行為を外部へ明かした行為の是非が争点となった。告発の中で名指しされた前本部長の野川明輝氏をめぐっては、不祥事の公表を差し控えるよう指示したのではないかという疑惑が浮上し、組織全体のガバナンスが強く問われる事態となった。
警察という厳格な階級社会において、トップの判断は絶対的な重みを持つ。本来であれば不正を正すべき立場にある指導層への疑念は、現場で日々職務に励む警察官たちの士気にも深刻な影を落としている。