郷土の日常食であったひもかわうどんが、いかにして全国区のプレミアムグルメへと変貌を遂げたのか。そのブレイクスルーの主役となったのが、館林市に本店を構える1894(明治27)年創業の老舗「五代目 花山うどん」です。
同店に伝わる「鬼ひも川」は、大正時代に考案されながらも一度は途絶えかけていた幻のメニューでした。これを五代目が長年の試行錯誤の末に復元し、2013年から開催された「うどん天下一決定戦」で3年連続完全優勝を果たしたことで事態は一変します。群馬のローカルフードだった幅広うどんは、一躍全国の麺マニアが熱狂するカルチャーへと昇華しました。
現在、群馬県内には個性を競い合う実力店がひしめき合っています。現地取材と各種レビュー集計から導き出した最新の名店勢力図は以下の通りです。
1位:五代目 花山うどん(館林市・東京銀座ほか)
幅約5センチ、絹のように滑らかな舌触りと力強いコシを両立。館林の民話にちなんだ分福茶釜の狸を模した器で提供される「鬼釜」は、上州麦豚の甘みと出汁が絡み合う芸術的な一杯です。全国的な知名度、接客品質ともに群を抜いています。
2位:藤屋本店(桐生市)
創業120年を超える桐生ひもかわの象徴的存在。藤屋本店の看板メニューである「カレーひもかわ」や「せいろ」は、伝統の手打ち技法によるもっちりとした弾力が持ち味です。和風出汁の効いた濃厚なカレー餡が幅広麺にしっかりと絡み、地元客からも圧倒的な支持を集めています。
3位:めん処酒処 ふる川(桐生市)
「ひもかわ=超幅広」のイメージを決定づけた名店。驚くべきは幅10センチを超える圧倒的なスケール感です。折り重なって器に盛られた冷やし麺を持ち上げる瞬間は圧巻の一言。透き通るような薄さでありながら破れにくく、みずみずしい喉越しを体験できます。
4位:志多美屋 本店(桐生市)
桐生名物「ソースカツ丼」の発祥店としても知られる老舗。うどん専門店ではありませんが、伝統的な素朴さを受け継ぐ手打ちひもかわを提供しており、ご当地ツートップの味を1箇所で堪能できるスポットとして観光客に絶大な人気を誇ります。