家庭では頑なに口を開かない子どもが、なぜ園ではおやつを完食できるのでしょうか。現役の保育園栄養士に取材したところ、子ども特有の心理と味覚に合わせた3つの工夫が浮かび上がってきました。
最大の要因は、「素材本来の風味を活かした引き算の味付け」にあります。市販の幼児向け菓子は香料や糖分が強く設計されていることがありますが、園給食では素材の甘みや出汁のうま味をベースに、調味料を極限まで控えます。薄味に慣れることで、子どもは食材本来の味をストレートに受け入れられるようになります。
次に挙げられるのが、「食べやすさを追求した形状と食感のコントロール」です。1歳〜2歳の発達段階では、噛み切りやすさと手づかみしやすさが食べる意欲に直結します。喉に詰まりにくく、かつ適度な弾力やしっとり感を持たせる水分調整が徹底されています。
最後に、周囲の友達と一緒に食べる「集団心理」も後押しします。視界に入る仲間が美味しそうに口へ運ぶ姿が最大の刺激となり、警戒心の強い偏食気味の子でも「自分も食べてみよう」という前向きな好奇心へと変化します。