近年、スポーツと映像表現の関係は大きな変貌を遂げた。スポーツの裏側に密着したNetflixのドキュメンタリー番組『Break Point』のヒットは、それまでテニスに馴染みのなかった若年層を一気にコートへと向かわせた。過酷なツアー生活や選手たちの葛藤を描いたスポーツドキュメンタリーの表現手法は、観客のテニス観を根底から塗り替えたと言っていい。
日本国内においても、長年にわたり最高峰の戦いを届けてきたWOWOWの生中継とオンデマンド配信が、現地への渡航意欲を加速させている。画面越しに観ていた熱狂の現場を自分自身の肌で体感したいと願うファンが、渡米してラケットを握るケースが急増中だ。これら映像メディアの力によって、プロテニス業界全体のファンベースはかつてない広がりを見せている。