カタールの影響力は、地下資源の富だけに留まりません。1996年に設立された衛星テレビ局アルジャジーラは、アラブ世界のみならず国際報道の構図を根本から変革しました。西側メディアとは異なる独自の視点を世界に発信し続けることで、ドーハは国際世論を動かす情報発信地としての地位を獲得したのです。
さらに、国際サッカー連盟(FIFA)主催のワールドカップを中東で初めて開催したことは、国家のブランドイメージを塗り替える決定打となりました。スタジアム建設や都市開発を巡る国際的な批判にも直面しましたが、結果として大会を成功に導き、世界規模のメガイベントを開催可能なインフラと運営能力を証明してみせました。
メディアとスポーツを巧みに融合させたソフトパワー戦略は、安全保障を軍事力だけに依存しないための、計算され尽くした防壁として機能しています。