サンリオの歴史において、1980年代後半はまさに「みんなのたあ坊」の黄金期でした。1984年にグリーティングカード用のイラストとして誕生したたあ坊は、デザイナーである島末彰子(しますえ あきこ)氏の手によって生み出されました。名前の由来には「誰の中にもいる純粋な部分」「みんなと共通点を見つけてほしい」という願いが込められています。
その親しみやすいビジュアルと飾らない言葉遣いは瞬く間に子どもから大人までを虜にし、1988年のサンリオキャラクター大賞で見事1位を獲得。翌1989年にも連覇に迫る圧倒的な支持を集め、文房具、衣類、アニメビデオなどあらゆるアイテムが世に送り出されました。
しかし、1990年代後半から2000年代にかけて、ポムポムプリンやシナモロールといった新世代のファンシーキャラクターが台頭するにつれ、店頭での露出が目に見えて減少していきます。ファンが「サンリオ ター坊 グッズ 販売中止になったのでは」と不安を募らせる中、決定的な影を落としたのが次章で解説する出版物を巡るトラブルでした。