1998年8月16日。岡部幸雄騎手を背に、タイキシャトルがドーヴィルの濡れた洋芝を力強く切り裂いた瞬間を覚えているファンは多いはずだ。当時の欧州馬主たちに「日本のマイラーなど」と甘く見られていた下馬評を、圧倒的な手応えと着差で一蹴。日本調教馬として初となる欧州G1制覇という快挙を達成した。
しかし、その後の歴史が示す通り、この地での栄冠は決して容易なものではない。グランアレグリアやシュネルマイスター、さらには近年の国内マイル王者たちが幾度となく遠征を模索しながらも、馬場適性や現地での調整、過酷な斤量設定の前に壁を感じてきた。だからこそ、ドーヴィルでの1勝は単なる「海外G1タイトル」以上の価値を持つ。