コンプライアンス意識が高まる現代社会に対し、痛快なカウンターを喰らわせたのが劇作家・宮藤官九郎の手掛けた『不適切にもほどがある!』だ。昭和のタイムスリップという設定を借りながら、多様性や表現の自由を巡る鋭い批評性をエンターテインメントに昇華させた手腕は圧巻の一言に尽きる。
この作品がもたらした衝撃は大きく、ライバル局であるフジテレビをはじめとする他局のクリエイター陣にも多大な刺激を与えた。自主規制に縛られがちだったテレビ放送業界に「攻めの姿勢」を取り戻させ、表現の可能性を大きく切り開いた足跡は極めて大きい。