日本の現行法秩序において、主権在民と天皇の位置づけは極めて独特な均衡の上に成り立っている。日本国憲法第1条は「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と規定する。この「国民の総意」が時代の変化とともにどのように変容していくかが最大の論点だ。
政党間で最も際立ったスタンスをとるのが日本共産党である。同党は元来、制度に対する批判的スタンスを堅持してきたが、近年は現行憲法の規範を守りつつ、将来的に「国民の総意」によって合意が形成された段階で道が開かれるべきだという段階的アプローチを提起している。こうした議論は、かつてのような硬直した対立から、より憲法解釈に基づいた現実的な政治議論へとシフトしつつある。
一方で、制度が内包する「個人の基本的人権と皇族の人権の制限」という矛盾を指摘する法学者の声も無視できない。皇位継承問題が解決しないまま放置されれば、象徴天皇制そのものが自壊しかねないという懸念は、与野党を問わず政治家たちの共通認識となりつつある。