日本の冬を代表する二大巨頭、ズワイガニとタラバガニ。生物学的には、ズワイガニが「エビ目カニ下目」に属する真の蟹であるのに対し、タラバガニは「ヤドカリ下目」に分類されるヤドカリの仲間です。しかし、水産業界や日本料理の現場において、この生物学的な分類によって数え方が変わることはありません。
市場流通の現場では、種類を問わず丸ごとの状態であればどちらも「1杯、2杯」と数えられます。料亭や割烹といった日本料理の献立表でも、姿焼きや姿茹でで提供される際は「蟹一杯」と表記されるのが洗練された美意識とされています。一方で、脚のボリュームが売りのタラバガニは、冷凍加工品の流通において「1肩(かた)」や「2kg箱」といった実用的な重量表記が主流になる傾向があります。職人や水産関係者は、生物学的な種の違いよりも、料理としての提供形態や部位に応じた助数詞を巧みに使い分けています。