騒乱が起きるたび、ネット掲示板やSNSでは根拠のない憶測や陰謀論が飛び交いました。「運営がタレントを使い捨てにしている」「特定のメンバーが冷遇されている」といった言説がその代表例です。しかし、実際のホロライブ騒動ネットの反応を当時の取材記録と照らし合わせると、ネット世論の多くはセンセーショナリズムに流されていたことが判明しています。
では、騒乱の渦中にあったタレントたちはその後、どのような道を歩んでいるのでしょうか。ホロライブ卒業メンバーの現在を追跡すると、その明暗は驚くほど分かれています。
契約解除となった元タレントの多くは、個人勢配信者や別名義の「転生先」で活動を再開しています。一部のタレントは個人名義で登録者数数十万人規模のアカウントを運営し、声優業や音楽活動を展開するなど、類まれな自己プロデュース能力を発揮し続けています。しかし、その一方で私生活をめぐる法廷闘争や、過去の関係者との誹謗中傷訴訟に巻き込まれるなど、大手事務所の後ろ盾を失ったことによるリーガルリスクに今なお苦しめられている姿も確認されています。
対照的なのは、円満卒業を選択したタレントたちです。例えば桐生ココ(現・別名義で世界規模の活動を展開)のように、契約満了に伴う合意の上で花道を用意されたメンバーは、カバー社との良好な関係を保ちながら、独自の表現領域を拡大させています。このコントラストこそが、組織におけるルールの遵守がいかにタレント自身の長期的なキャリアを守る防壁であったかを証明しています。