ネット掲示板やSNS上で「国際武道大学はやばい」と語られる背景を精査すると、事件性や教育の破綻といったネガティブな要素ではなく、極めて特殊な環境に対する誇張や誤解が主因であることが分かります。編集部による現場証言の精査により、主な要因は以下の3点に集約されました。
第1の要因は、勝浦という徹底的に誘惑を遮断した立地環境です。千葉県南東部の外房エリアに位置する勝浦キャンパス周辺は、豊かな太平洋と山林に囲まれ、都市型の娯楽施設はほぼ皆無といえます。繁華街で学生生活を満喫したいと考える一般的な学生の価値観から見れば「隔離されたような環境でやばい」と表現されがちですが、競技や学業に集中したいアスリートにとっては雑音のない理想的なトレーニング拠点として機能しています。
第2の要因は、武道精神に基づく厳格な規律と伝統的な上下関係です。武道学科と体育学科を擁する単科大学という性質上、挨拶や礼儀作法、身だしなみに対する指導は一般大学と一線を画します。学内の至る所で交わされる大きな挨拶や整然とした行動様式は、部活動未経験の来訪者には圧倒的な威圧感を与え、「体育会系のノリが過激すぎるのではないか」という先入観を生む引き金となっています。
第3の要因は、入試偏差値と実際の就職実績の極端なコントラストです。一般的な筆記試験中心の河合塾等の指標において、偏差値は35.0前後やBF(ボーダーフリー)近辺と算出されることが多く、いわゆる「Fランク大学」と短絡的にラベリングされがちです。ところが卒業後の進路を見ると、難関とされる警察官採用試験や教員採用試験に毎年数十名単位で合格しています。この「偏差値の低さと就職の強さの矛盾」が、ネット上で「どうしてこんなに受かるのか、裏があるのではないか=やばい」という穿った見方を呼ぶ温床となっているのです。