KAOFESの最大の特徴は、会場内だけで通用する独自通貨「KAOマネー」の存在だ。
子どもたちは入場時に受け取るKAOマネーを元手に、会場内の様々な「仕事」に挑戦する。地元企業や団体が提供する職業体験ブースで働き、報酬としてKAOマネーを稼ぐ。そして稼いだお金で、飲食ブースの料理を購入したり、ワークショップに参加したりする。働いて、稼いで、使う。この一連の流れを、一日という短い時間の中で体験できる仕組みだ。
重要なのは、KAOマネーが現金に換金できない点である。会場の外では一切の価値を持たない。この制約が、子どもたちに「お金とは何か」「働くとはどういうことか」を純粋に考えさせる装置となっている。貯め込むのではなく、使うことで祭りが回る。経済の循環を、身体で理解する学びがそこにある。
職業体験エリアの多様性
2026年のKAOFESでは、地域の飲食店、製造業、サービス業など、多彩な企業がブースを出展予定だ。パン屋での接客体験、工芸品制作のサポート、イベント運営スタッフとしての裏方仕事。子どもたちは興味のある仕事を選び、実際に手を動かす。
ある年の参加者は、花屋のブースで母の日のブーケ作りを手伝った後、稼いだKAOマネーで自分の母親にカーネーションをプレゼントしたという。労働の対価で得たお金が、感謝の形に変わる瞬間。それは子どもにとって、どんな教科書よりも強烈な学びとなる。