原宿や渋谷の路上にたむろしていた若者たちが、突如として鮮烈な原色を身にまとい始めたのは1990年代半ばのことだ。青を纏うグループ、黄色を掲げる集団、赤で結束を誇示する徒党。彼らは駅前広場や路地裏をテリトリーとして陣取り、異なる色を身につけた者が境界線を越えれば即座に激しい衝突が勃発した。
メディアは彼らを時代のあだ花としてセンセーショナルに報じたが、その実態は単なるファッションの延長にとどまらなかった。夜な夜な繰り広げられた集団暴行、金属バットや角材を用いた抗争、恐喝行為。後年ドラマなどで描かれたような「街を守る義理人情の自警団」というロマンティシズムは、現場に転がっていた血と硝煙の前では脆くも崩れ去る。現実のストリートを支配していたのは、理不尽な暴力と底知れぬ恐怖支配に他ならなかった。