小林すすむのキャリアを振り返る上で、1979年に結成された「ヒップアップ」の存在を外すことはできない。フジテレビ系の伝説的バラエティ番組『オレたちひょうきん族』などで見せた軽快なコントは、当時の日本中を爆笑の渦に巻き込んだ。「それでインダよ」といったフレーズとともに人気を博したこの時代に磨き上げられたリズム感と喜劇の間合いが、のちの俳優人生における強烈な武器となった。
お笑い芸人がドラマに進出することがまだ珍しかった時代、彼は持ち前の柔軟性で俳優業へとスムーズに旋脚。コントで培ったキャラクター作りの妙を劇的な芝居に昇華させ、日本のエンターテインメント業界において「お笑い出身の名優」という新たな道筋を切り拓いた先駆者の一人となったのだ。