ブームの火付け役となったのは、今年2月に投稿された無名のクリエイターによる15秒の動画だった。画面に映し出されるのは、不規則に膨らんだシリコン製のシートを指先で弾く様子と、それに合わせて編集された小気味よい破裂音。この極めてシンプルな映像が、投稿からわずか3日間で1000万回再生を突破した。誰もが予測しなかったこのバズが、すべての始まりだ。
スマートフォンのスピーカーから流れるその音は、ASMR(自律感覚絶頂反応)の進化系とも言える中毒性を秘めていた。視聴者は耳だけでなく、まるで自分の指先がその「ぼこぼこ」に触れているかのような錯覚に陥る。この強烈な疑似体験が、瞬く間にシェアの連鎖を生み出したのだ。