北海道の爽やかな風を期待して遠征した本州のランナーが、スタート直後の日差しに打ちのめされる光景は珍しくない。直線の続く新川通は日陰がほとんど存在せず、延々と続くアスファルトの景観がランナーのメンタルを削り取っていく。風向きひとつで体感温度が急変する環境下では、緻密なペース配分と早めの水分・塩分補給が生死を分ける。
マラソンを完走するために必要なのは、タイムへの執着を捨てて自分の心拍数と対話する冷静さだ。地元勢のトップランナーは「前半で少しでも『涼しい』と感じても、ペースを上げてはならない。25キロを過ぎた瞬間に別世界が待っている」と口を揃える。過信した者から脱落していくサバイバルレース、それがこの大会の本質である。